【初心者必見】効果が出るペルソナの作成方法をわかりやすく解説!

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「ペルソナとは一体どういうものなのだろう?」
「上司からペルソナを作成するように言われたけれど、どうやって作れば良いのだろう?」
「どうしてペルソナを作成する必要があるのだろう?」

初めてWebマーケティングを学んでいる方、またはマーケティングに携わって日が浅い方、このような疑問やお悩みはありませんか?

ペルソナ作成は、自社の製品やサービスを「必要としている人に届ける!」ために
非常に有用な手段なのです。

全ての人が満足する商品やサービスは存在しません。
全ての人に届けようとすると必要な人に届かなかったり、心に響かないコンテンツになることはよくあるケースです。

しかしペルソナを作成することで、具体的なユーザー像を明確にし、ターゲットを絞って展開していくことで大きな効果が期待できるのです。

ここでは、ペルソナとは何なのかを初心者の方でもわかるように説明します。
ペルソナ作成の目的と効果、効果が出る作成方法、実例のご紹介、作成時の注意点、作成の重要性をお伝えします。

この記事を読んだ後は、ペルソナを深く理解し、作成が効率よくスムーズにできるようになります。ぜひご覧ください!

「ペルソナ」とは?

まずペルソナとは何なのか、ペルソナとターゲットはどう違うのかという基本的な部分を説明します。

そもそも「ペルソナ」とは何?

「ペルソナ」とは自社の製品やサービスを認知・購入/利用してもらう理想の顧客を具体的に表現した架空の人物像です。

実際に存在するかのようなプロフィールを持ち、ライフスタイルや価値観、考え方、何に興味を持ち、何に悩んでいるかといった内面にもフォーカスして作り上げていきます。

具体的なペルソナを作成することで、自社のコンテンツを届けるべきユーザー層が明確になり方向性が決定しやすくなります。

「ペルソナ」と「ターゲット」はどう違うのか?

どちらも企業がアプローチしたい対象ユーザーを指す言葉なのですが、意味合いが異なります。ここで理解し、的確に使い分けられるようになりましょう。

簡単に言うと「ターゲット」とは年齢や性別など大まかな属性で分けたユーザー層のことで、「ペルソナ」とは、そのターゲットをさらに踏み込んで詳細に表した人物像のことです。

「30代 独身女性」や「関東圏に住む 年収500万円以上の既婚男性」といったように、漠然としたターゲット層ではコンテンツの内容やアプローチの仕方が曖昧になってしまいます。

しかし、「ターゲット」をさらに落とし込んで踏み込んだ、生身の人間像に近い「ペルソナ」は、あたかも実際の知り合いや家族の一員でもあるように具体的にイキイキと表現され、顔が見えることによってコンテンツの内容やアプローチの方向性を明確にすることができるのです。

「ペルソナ作成」の目的と効果

次にペルソナを作成する目的と効果についてお伝えします。

マーケティングにおける「ペルソナ」の目的

マーケティングにおけるペルソナの目的は、ユーザーが望むコンテンツの提供を可能にし、マーケティング戦略や販売戦略を立てやすくすること、それによりアプローチの方向性を決定することです。

現在の私たちは、インターネットの進化により有効なアプローチ方法が変化し、また科学技術の発展によってライフスタイルも多様化しました。

発信するコンテンツが望まれるユーザーの元へ届かなければ意味がありません。
ペルソナ作成で絞り込んだユーザーへどのように届けるのがベストなのか、効果的な戦略を立て最適なアプローチをすることができるようになります。

「ペルソナ」で得られる 3つの効果

ペルソナで得られる効果は以下の3つです。

① ニーズを満たすコンテンツの提供を可能にする
② 対象を絞り込むことで戦略が立てやすくなる
③ 関係者及び社内全体でイメージの共有ができる

それぞれについて詳しくみていきましょう!

① 「ニーズを満たすコンテンツの提供を可能にする」

ペルソナから得られる効果の一つ目は、ニーズを満たすコンテンツの提供を可能にすることです。

具体的でイキイキとした人格をペルソナに落とし込むことで、自社側からの一方的な視点だけではなく、ユーザー視点も得やすくなります。

ユーザー視点を獲得し、ユーザーが求めていることを把握することは、結果的にユーザーニーズを満たすコンテンツの提供に繋がります。

② 「対象を絞り込むことで戦略が立てやすくなる」

ペルソナから得られる効果の二つ目は、対象を絞り込むことで戦略が立てやすくなることです。

実際にペルソナを作成すると、ユーザーが何を必要としているのか、何に困っているのか、どんな悩みを抱えているのか…といったことがわかりやすくなることから、ユーザーに寄り添ったマーケティング戦略や販売戦略を立てやすくなります。

対象を絞り込み戦略を立てることにより、購買心理に効果的にアプローチし売上アップに繋げたり、想定される行動からどのタイミングでどのような戦略を仕掛ければ良いかが見えて来るといったような効果があります。

③ 関係者及び社内全体でイメージの共有ができる

ペルソナから得られる効果の三つ目は、関係者及び社内全体でイメージの共有ができることです。

関係者一人一人がペルソナのイメージを共有することで、メンバーが変わったり、増えたりしても理想のユーザー像がブレることなく伝わります。

また、コンテンツの発信やWebマーケティングにおける目的・戦略・戦術を見直すなど、検証する上でもメンバー全員が効率よく判断でき、軌道修正が行いやすくなります。

社内全体でイメージの共有ができていれば、部門を越えてもブレない戦略立案が可能になり、商品開発や顧客満足度の向上など他部門においても施策が打てるといった効果が期待できます。

効果が出るペルソナの作成方法

次に効果が出るペルソナの作成方法をお伝えします。

効果が出るペルソナの作成手順は以下の3ステップです。

1. 情報収集
2. 情報整理
3. 肉付け(ストーリー作り)

では、1つずつ解説していきます。

1. 情報収集

具体的でイキイキとした人格のペルソナを作成するために、徹底して情報を集めましょう!下記はペルソナを作成をするために必要な項目例を記載しています。

基本情報 年齢、性別、居住地、出身地など
職業 業種、役職、勤務地など
学歴 最終学歴、大学・学部など
収入/金融関係 年収、貯蓄、保険、クレジットカードなど
人間関係 家族構成、配偶者/恋人/子供の有無、友人の数など
性格 価値観、物の見方/考え方、人生観、コンプレックス、お金の使い方など
趣味/興味 嗜好品、余暇の過ごし方、インドア/アウトドア派など
生活パターン 起床/就寝時間、通勤/勤務時間、習慣、幸せを感じる時など
生活感 悩み事、困っている事、苦労している事など
目標/ゴール 人生/仕事での目標/ゴール/課題、挑戦したい事など
インターネット 利用状況/時間、よく利用するSNS/アプリ/Webサイトなど
所有デバイス スマホの機種、PCの有無/機種など
情報源の種類 新聞、雑誌、TV、Webなど
買物 定期購入している商品/サービス、好きなブランド/ファッション、買物をする場所など

有益な情報を収集する方法のひとつが既存ユーザーへのアンケートやインタビューです。

ペルソナは想像で作成しても意味はなく、実際のデータを基に作成していきます。
そのため既存ユーザーへのアンケートやインタビューが効果的な情報収集の方法なのです。

ここで注意してほしいのが、インタビューの方法です。
「インタビューをお願いします」と言われると、対象者は身構えてしまい、表面的なニーズしか知ることができない場合があります。

インタビューの方法として、おすすめしたいのが「デプスインタビュー(深層面接法)〜 Depth Interview 」です。

デプスインタビュー(深層面接法)〜 Depth Interview

デプスインタビューとは、1対1の対話形式で行われるマーケティングリサーチでの定性調査の代表的な手法のひとつです。

表層的な情報収集だけではなく、対象者のライフスタイルを理解した上で、行動に至るまでの思考や背景を掘り下げて調査していきます。

顧客が無意識にとっている行動や潜在的なニーズを、会話の中から引き出して把握します。

デプスインタビューの大まかな流れ:

① 調査の目的・課題を整理し、設問の洗い出し
② 調査対象者の決定
③ インタビューフローの設定
④ インタビュー実施

1つずつ説明していきます。

① 調査の目的・課題を整理し、設問の洗い出し

まずは、調査の目的・課題を整理し、設問の洗い出しをしていきます。

目的:なぜ、今回のインタビューが必要なのか
課題:目的のためには、何が必要になるのか

を整理し、実際のインタビュー内で必要となる質問内容の洗い出しをしていきます。

限られた時間の中で、必要な情報を引き出すためにも、事前に質問には優先順位を付けていくのがいいでしょう。

② 調査対象者の決定

次に、既存ユーザーの中から、対象者を選定していきます。

ターゲットに近しい人物であることを前提に、以下の要素を満たす対象者が理想的と言えます。

・積極的に話せるコミュニケーション能力がある
・自社製品のヘビーユーザーである
・自己分析し、自身の行動や欲求を話せる

これらの要素を把握するために、顧客データでの購買履歴や、アンケートの自由回答の結果などを参考にしていくのがいいでしょう。

③ インタビューフローの設定

インタビューを実施する前に、インタビューフロー(シナリオ)を設定しましょう。

目的・課題をクリアにする質問内容が用意できているか、優先順位は正しいか、などを確認し設定しましょう。

また、対象者の返答に対して、その理由・背景、本音など深層部分を深掘りしていくための質問を考えておくことが重要です。

前述したように、対象者は身構えてしまい、表面的なニーズしか話さない場合がありますので、潜在ニーズを引き出す手段を考える必要があるということです。

④ インタビュー実施

すべての準備が整ったら、インタビューの実施になります。

テーマやリソース、目的などにもよりますが、できれば10名〜15名ほどを対象に行いましょう。インタビューを効率的に行うためにも、スケジュール管理は必須です。

以上が、デプスインタビューの大まかな流れになります。

2. 情報整理

情報を集めたら、まずはペルソナのアウトラインを作るため、収集した様々な人間の共通する特徴をグルーピングして骨組みを作っていきましょう。

グルーピング作業を進めていくと、少しずつペルソナ像が見えてきますので、これを基に詳細に詰めていきます。

3. 肉付け(ストーリー作り)

骨組みが完成したら、生身の人間なら必ずあるべき背景やストーリーを肉付けして、1人の人間としてイキイキとした人格のペルソナ像を作り上げていきます。

 

また、ストーリー作りでは「悩み」にフォーカスすることも重要です。

その上で知っておきたいのが「HARMの法則」です。

人間の悩みは大きく分けて「H・A・R・M」の頭文字を取った下記の4つしかありません。

Health – 美容・健康
・太ってきたのでやせたい
・顔のたるみ、シミやシワが増えてきた
・髪の毛が薄くなってきた
・肩こりがつらいAmbition – 夢・将来・キャリア
・将来の生活が不安
・進学・就職ができるか不安
・キャリアアップしたい
・定年後の人生をどう過ごすかRelation – 人間関係・恋愛・結婚
・友人とうまくいかない
・上司からいつも叱られる
・夫婦・恋人関係がうまくいっていない
・離婚を考えているMoney – お金
・生活が苦しい
・借金がある
・住宅ローンを借りるには?
・老後資金はどれくらい必要か?

ペルソナのプロフィールに、ライフスタイルや価値観、考え方、何に興味を持ち、何に悩んでいるかなど、具体的な内容やストーリーを加えてリアリティのある人物像を作り上げていきましょう。

特に「悩み」や「困っていること」にフォーカスし深掘りしていくことで、自社の製品・サービスを認知・購入/利用してもらう際の関わり方やタイミング、どのような手段で自社のコンテンツを発信すれば良いのかがわかりやすくなります。

ペルソナの実例

この章では実際に作り上げたペルソナの実例をご紹介します。

リアリティのある人物像

ご紹介する例は、エクササイズクラスへの入会数アップのために作成したペルソナ像です。

項目 作成欄
企業視点 商材 健康らくらく体操
キャッチコピー 運動は嫌い!できるだけ楽をして健康でいたい。
プロフィール イメージ画像
住居地 世田谷区経堂
勤務地 港区赤坂
性別 女性
職業 英語非常講師
年齢 52歳
既婚 or 未婚 既婚
パートナー 8歳年上の夫は今年定年を迎えたがまだまだ元気なので再雇用制度で引き続き勤務中。収入は減ったが住宅ローンも完済済み。お互いの貯蓄もあるので年金受給までの間は働くつもり。
貯蓄 5,000万円
(世帯)所得 1,000万円
家賃 持家 住宅ローン完済済み
仕事 仕事に必要なスキルや知識 英語教師
業界の概要と特徴 有名中高一貫の私立キリスト教主義の女学校
役職と仕事の概要 ネイティブ英語教師のサポートと英語スピーチコンテスト参加学生のサポート
仕事の責任範囲 非常勤なので担任を持つこともなく、責任範囲は少ない
達成すべき目標 英語スピーチコンテスト参加学生の全国大会出場
今解決すべき課題やチャレンジ 英語ネイティブ教師と連携し、生徒の進学サポート
1日の過ごし方 ・08:00 出勤
生徒の出迎え、授業の準備
・朝のホームルーム
担任を受け持っていないので、生徒や親からの連絡受付
・08:35 礼拝
・09:00 授業開始
・12:30 ランチタイム
持ってきたお弁当を食す
・13:30 午後の授業開始
・15:15 帰りのホームルーム
・15:30 クラブ活動
生徒からの相談にのる
・17:00 退勤
仕事における決裁権 ほぼ無い
日常 生活への不満 最近更年期のホットフラッシュがひどく、イライラすることが多い。
運動をした方が良いのはわかるが、運動はあまり好きではない。
趣味へのコスト投下のハードル 低い。比較的自由に使える余裕がある。
自由に使えるお金 10万円/月
遊び場 ランチ巡り
趣味 読書・美術館巡り
趣味に関する専門度 やや高い。簡単な洋書を読む。海外旅行での美術館巡りは欠かせない。
趣味情報の取得方法 最近は老眼も進み、オーディオブックで本を聴くことも多くなった。
美術館の情報はインターネットでチェックする。
趣味に関する優先度 高い
友人の意見を参考にする 大いに参考にする。
口コミを参考にする 口コミも必ずチェックする。
人生観 嫁いだ娘に第2子が授かり、来月が出産予定日なのでそれに合わせて年内は娘夫婦の転勤先である札幌で過ごすことになる。娘も家庭内がうまくいっているのは何よりだ。

夫は春の健康診断で血圧とコレステロール値が少し高め。私も更年期真っ只中で不安がつのる。
義父が他界し、一人暮らしの義母と実両親のことが心配。実母は少し認知症の気配がある。

家族皆が元気で健康が一番だが、歳を取ってきているのは否めない。実父が運転免許返納を機にウォーキングを楽しんでいるようだ。
同僚や女学校時代の友人がカーブスやウォーキングを楽しんでいたり、友人とのランチの会話も健康や運動に関しての話題が多い。
何か運動を始めたいが億劫である・・・。

年齢を重ねてきて、不調を感じることも多くなり、将来に不安を感じている様子がわかります。健康のために運動をしたいが、運動が苦手という悩みもあるようです。

とてもリアリティがあり、実在する人物のように感じますよね!

ペルソナ作成の注意点

次にペルソナを作成する上での注意点をお伝えします。
注意点は以下の5つです。

1. リアリティがあり、実在しそうな人物像を描くこと
2. 内面まで詳細に具体性を持たせること
3. 自社に都合の良い人物像は避けること
4. 商材・サービスの目的に合致する項目を入れること
5. 定期的に見直すこと

1つずつ説明していきます。

1. リアリティがあり、実在しそうな人物像を描く

リアリティがあり実在しそうな人物像を描きましょう。
そうすることによって、コンテンツの内容やアプローチの方向性を明確にすることができるのです。

リアリティがなく現実的ではない人物像をペルソナにすると、戦略が曖昧になってうまくいかないことが多いのです。

2. 内面まで詳細に具体性を持たせる

生身の人間を描くことが大事です。性格や考え方、悩みや困っていることも詳細に表しましょう。
そうすることによって、ユーザーに寄り添ったマーケティング戦略や販売戦略を立てやすくなります。

3. 自社に都合の良い人物像はNG

自社に都合の良い人物像を作ることは避けましょう。
自社に都合の良いペルソナ像ではユーザー視点からの情報は得られません。アンケートやインタビューから得た事実を基に、実在する人間のようにリアリティのある人物像を描くのがポイントです。

4. 商材・サービスの目的と合致すること

商材やサービスの目的にあった情報が盛り込まれているか確認しましょう。

例えば、運動不足を解消するためのエクササイズクラスが商材であれば、健康に特化した情報やライフスタイル、悩みなどが盛り込まれている人物像を作成するのがよいでしょう。

5. 定期的に見直す

時間の経過や世の中の流れによって、心理的な部分は変化することがあります。
データは常にアップデートしていくというのを意識して、定期的に見直すようにしましょう。

まとめ

この記事では「効果が出るペルソナの作成方法」について、初心者の方にもわかりやすいようにお伝えしてまいりました。

以下、ペルソナ作成方法と注意点になります。

ペルソナ作成の3ステップ
1. 情報収集
2. 情報整理
3. 肉付け(ストーリー作り)

作成時の注意点
・リアリティがあり、実在しそうな人物像を描くこと
・内面まで詳細に具体性を持たせること
・自社に都合の良い人物像は避けること
・商材・サービスの目的に合致する項目を入れること
・定期的に見直すこと

マーケティングにおける「ペルソナ」の目的は、ユーザーが望むコンテンツの提供を可能にし、そのコンテンツを望んでいるユーザーの元へ届けることです。
対象を的確に把握することにより、戦略が立てやすくなるのと、社内全体でのイメージ共有ができるので、全員が理想のユーザー像を把握でき、様々な観点からの見直しや検証をする上で効率よく判断ができるようになります。

ペルソナを基に練り上げられ、ユーザーに寄り添った戦略を展開することが、
結果として「必要としている人に必要なものを届けること!」を実現可能となるのです。

自社に都合の良い人物像ならないように、情報収集を怠らないようにしましょう!